恋する心

明治維新まで、「愛」という言葉はなかった。

それまでの日本は、「恋」という言葉を使った。

他にも「人情」と言葉。

落語を聞いていると「愛している」などは一度も言わないけれど、

その行動やセルフから、好きなんだということは十分に分かる。

なんとも、うまく自分の気持ちを表せない不器用な人物が出てくると、逆に楽しくなる。

「愛している」なんて、あまりにズバリすぎて、面白みもないのである。

そんな江戸時代の人々の落語を聞くのが楽しいと感じる。

人間は、時代が変わっても、本質は同じで共感できるのである。

特に、うまくいかない片思いほど面白いものはない。

あー、神様、この世の恋、情の物語に感謝します。